資源・エネルギー安定供給への貢献

炭化水素探鉱分野

当社は、地下深部に埋蔵されている天然ガスを主体とする炭化水素を探鉱する物理探査技術を提供します。炭化水素資源を採掘するには、坑井位置を決定し、非常にコストを要する高度な掘削作業が必要となります。こうした資源探鉱及び開発の成功には、予め地下構造を網羅的に調査し、炭化水素が濃集している可能性が高い地質構造や望ましい貯留層性状を把握することが求められます。当社が提供する反射法地震探査は、詳細な地下構造を三次元的に可視化すると共に、貯留層の物性評価に不可欠かつ標準的な技術です。

当社では、陸域・浅海域・海域において、多様な震源・受振システムを機動的・複合的に組み合わせて、探査対象・深度に合わせた最適な二次元・三次元反射法地震探査データを収録します。

●陸 域…独立型と有線テレメトリーシステムの複合化と共に、震源エネルギーの最適化を通じて、不規則な標高・表層構造変化及び複雑な地表条件に柔軟に対応した受振レイアウト(数千点以上)によるデータを収録します。

●浅海域…当社が最も優位性を持つ領域が浅海域であり、海底着底ケーブル(四成分)と陸上展開を接続し、多様なエアガン震源と陸上震源を組み合わせて、陸上から沿岸海域までのシームレス三次元データを収録します。

●海 域…機動性の高い中小規模の三次元探査を実施すると共に、専用調査船の傭船を通じた大規模三次元探査のサービスを提供します。

石油・天然ガスなど炭化水素の存否について検討するためには、根源岩、移動・集積、貯留岩、トラップ構造、そして帽岩などの要素からなる炭化水素システムの全体を評価することが重要です。地下構造の解釈を通じて現世における地下の状況を把握するだけではなく、過去へ遡り地史を復元して、炭化水素の生成、地層中の移動、そして現世の鉱床胚胎に至る過程を検証する必要があります。

当社では、地質データ・坑井データ・多種物理探査データを用いた統合解析を通じた、三次元地下構造モデル構築によって石油システム解析を実施し、国内をはじめ世界各地を対象とした石油・天然ガス資源の探鉱ポテンシャル評価、埋蔵量評価などのコンサルティングを行っています。

【物理検層データ解析】
【石油ガスの移動・集積シミュレーション】

海洋・海底鉱物資源探鉱分野
-メタンハイドレート及びカーボンニュートラル鉱種-

日本の周辺海域には、天然ガスの主成分であるメタンと水とが結合し結晶化した「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートや有用金属を多く含む海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、さらに希土類金属元素を多く含むレアアース泥など、将来のエネルギーや金属・鉱物資源が多く眠っています。

特に、海洋鉱物資源は、2050年カーボンニュートラル社会実現に向けて、産業競争力を左右するレアメタル・レアアースの安定供給を一層強化する観点で、近未来における日本社会と産業を支える重要な戦略的国産資源として注目されています。

当社では、二次元および三次元高分解能地震探査や海洋電磁探査などの最先端の調査技術を効果的に組合せることで、海底資源の成因の学術的理解や、賦存量の推定、さらに開発における環境影響評価のための調査サービスを提供しています。

上図は、日本海における三次元高分解能反射法地震探査によるメタンハイドレート賦存域に存在するガスチムニー構造を表しています。

(SIP「次世代海洋資源調査技術」報告会, 2018)

上図は海底熱水鉱床域における三次元音波探査の結果で、海底下地層内の熱水流路とみられる亀裂や断層の構造を推定しています。