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リモートセンシングによって
衛生SAR差分干渉が捉えた
四川地震による龍門山断層帯の地表変位
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モートセンシングによって
衛星SAR差分干渉が捉えた四川地震による地表変位
2008年5月12日に中国・四川省で発生した四川地震では、延長が200kmを超える龍門山 (Longmenshan)断層の活動により、広範囲にわたる壊滅的な被害が生じました。図1は龍門山 断層の北部周辺の衛星SAR差分インターフェログラムです。図2は図1の位相を繋げて視線方向の変 位量に変換したもので、短縮量は地域によって60cmを超えています(赤色部)。推定される龍門山断 層(赤矢印)の北盤上の青色部は、衛星から遠ざかる(東に向かう)センスを示しており、黄色~赤の 部分が衛星に近づく(西に向かう)センスであることを考えると、断層の活動センスは右横ずれ走向移動 成分を伴うものと推測できます。図3は、干渉処理の過程で得られるコヒーレンスと呼ばれる量で、2回の 観測の間に地表の状態が変化するとコヒーレンスの値は小さくなります。推定される龍門山断層を境とし て、北側のコヒーレンスは南側に比べて著しく低く、地震によって断層の北側(即ち上盤側)の地表が激 しく擾乱されたことを示唆しています。地震による被害が極めて大きかった北川県(Beichuan:図のほ ぼ中央)は、断層のほぼ真上に位置していることが、この図から容易に推定できます。
Path 476の干渉結果は、2008/4/08と200/5/24のペアによる衛星SAR干渉結果ですが、今回の 四川地震の震央は、干渉画像ストリップのほぼ中央東端に位置する赤色部に相当します。Path 473 では、視線方向の変位量の相対的な差は約80cm(-20~+60)ですが、Path 476では約 140cm(-80~+60)に達しており、震央付近においてきわめて大きな差異が生じたことが類推できま す。背景のLandsat 7画像から判る龍門山断層の北東-南西方向の伸びを考慮すると、震央付近 の変位の符号が逆になっていることは、隆起・沈降の鉛直成分より走向移動成分を強く反映している可 能性が指摘できます。
図4 図5
図6 図7
